MILAX飛行機実験



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 過去のマイクロ波送電実験で用いられたのは 電子管式マイクロ波増幅器とマイクロ波ビ−ムの方向を 機械式に制御する導波管打ち切りアンテナや パラボラアンテナであった。これを一歩押し進め、増幅器には 半導体素子を採用し、マイクロ波ビ−ムの制御を 電子式に行えるアクティブフェイズドアレイを採用した新しい実験が、 1992年から1993年にかけて行われた。 この実験はMILAX(MIcrowave Lifted Airplane eXperiment)と呼ばれる マイクロ波飛行機実験とISY-METS (International Space Year - Microwave Energy Transmission in Space)と呼ばれる 宇宙科学研究所 のロケットを用いた実験である。 この実験は京都大学、 神戸大学通信総合研究所や 民間の研究者らも参加して行われた。
 MILAX飛行機実験は1992年8月22日、23日、29日の三日間にわたり行われた。 MILAX飛行機実験は、2.411GHzのマイクロ波を用いて飛行機の飛行に必要な 電力を送電するという実験である。この実験は上空約 10mを水平飛行する模型飛行機に送電器を装備した 追尾送電車からマイクロ波で電力を伝送する方法がと られた。MILAX飛行機実験は、SPSを実現する ためのマイクロ波送受電に関する基礎実験であり、ま た、近い将来の実現を検討している成層圏無線中継機 システムのための基礎実験でもあった。MILAX飛行機実験においては そのシステムは大きく4つに大別できる。送電システム、受電システム、 飛翔体システム、追跡システムである。これらのシステムは固定基地から 固定基地へのマイクロ波エネルギー伝送だけでなく、 移動基地から移動基地へのエネルギー伝送の技 術に大きな関わりを持っている。MILAX飛行機実験は約30秒、 上空10mから15mを約400mの距離をマイクロ波送電で飛行するという成功を収めた (写真)。この時間、距離の制限は単に実験場の広 さからくるものであった。
 MILAXにおけるマイクロ波送電システムはGaAs-FETを用いた 5段増幅半導体増幅器と4-bitディジタル移相器を組み合わせ、 入力マイクロ波を増幅、制御するものである。受電システムは レクテナと呼ばれるマイクロ波受電用整流回路つきアンテナが用いられた。 レクテナのマイクロ波-直流変換効率は約40\%であった。 MILAX実験においてはこのレクテナを用いて飛行機を飛行 させるのに十分な電力が得られた。

[MPEG動画データ (4.19MB)]


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